2011年11月27日

あるスポーツジムの失敗

(この記事はHow the Gym has Failedの和訳版です。この記事の要旨は一部の店舗に対して文句をいうことではなくて業界全体の体質を批判しているため、記事中の固有名詞は仮名です。ただし、チェーン自体は日本にも進出している大きめのものであることは表記しておきたい。)

先日、近所にあるスポーツジムの11月中の無料券なるものが届いたので、どんなものかと言ってみることにした。運動も必要だとは思ってたし。結局は2時間無駄にしただけに終わったのだが。

その「無料券」自体、同じ系列の違うところのものだったのだが・・・・・・。まあ、それはしょうがない。

カウンターの中の人にそう言われたから帰ろうとしたら店の人に呼び止められた。どうやらセールスの人で、体格からして多分トレーナーなんかもやっているんだろう、まあ、とにかくこの人を仮にジョンとしておく。(後から調べてみるとジェネラルマネージャーの肩書きをもつ人物だった。)まあ、話してみるだけならいいかと思って話をしてみる。まあ、内容自体はなぜジムの会員になるのを考えているのか、というような話。その後、施設を案内してくれた。

施設はなかなかいい場所で、体重と身長を測った後にもう一度テーブルに戻った。この時には特に金払って会員になることを考えていなかった。無料券の使用を目的に来ているわけだから・・・・・・。この後は想像できることかもしれないが、その場で有料の会員登録を迫られたというわけ。まあ、長期のコミットメントではなくて、月毎のものではあったが、長期、短期問わず、コミットメントを迫られたわけだからどっちも同じ事だ。

連中は登録を説得するためにある一種の「恐怖」で迫ってくる。
「今、会員登録しなければあんたは不健康になる。」
その次は「焦り」を使う。
「今登録しなければ入会金が100ドル高くなります」
それでもダメなら抱き合わせ。
「今これを登録すれば同じ値段でこれとこれがつきます。」
実はこれまでに他社の人とも話したことがあるのだが、連中は「検討する」機会を与えないように持っていく。この表明をすると連中はそれが逃げるための口実だと言ってくるのだ。その時のお決まりのセリフ。
「今、契約しなければあんたは(気が弱いから)逃げて戻ってこないだろう。」
まあ、こんな感じでのらりくらりと、ジョンの方もその勧誘がどうにもならないと気がついたのだろうが、それまでの戦法から打って変わって軽い「罵り」戦法を発動して、だんだんと本当の罵りに変えていった。まあ、このあたりで自分も腹が立って交渉決裂させた。ジョンの強欲は失敗に終わり、2時間無駄にしたわけだ。あ、あと、もし普通に接していればもしかして会員料ぐらいは払って入っていたかもしれないから、その商機も逃したわけだ。
ジョンにも言い分はあるのだろうが、顧客としての立場から言えば彼の営業は圧迫商法以外の何者でもない。この体験によって、絶対にそのジムには行かないし、行くとしても他のところだ。おそらく、この商法で取り込める人がいるからこういう商法を展開するのだろうが。前述のように、同じ業界の人と前に話した機会があるが、同じような手口だった。

今回の体験と観察からジムに入ろうとする場合は以下のようなことに気をつけるべきであると考える。
  1. 常に相手は商品を売りつけようとしている人物であると認識する。会話の中で「あなたのことを考えてのこと」などということがあるが、それは「自分が儲ける必要があるから、あなたのことを考えてのこと」と読み替える。彼らが行うアドバイスというのは会員として取り込むことを目的に行っている。彼らは商売であって決してあなたの親友ではないのだから。
  2. 最近では「あなたの本当の年齢」などという情報を提示しながら話してくることがあるが、これは疑ってかかること。もしかしてそのデータ自体はそこまでは間違っていないのかもしれない。しかし、それを交渉を押し切るためのツールとして使ってくるのであれば別だ。ジョンの態度で興味深かったのは「検討」の意思を出した前と後でそれが客観的なものから主観的なものになったことである。(最初は「この情報からすると、あなたの大体の年齢水準はこういうかんじになる」と言って後からは「あんたのこのデータは危険だ」というような感じ。)
  3. 同じチェーンで無料チケットを使った他の人の体験を聞くと、人によって標的にされやすい層があるらしい。不健康的な人を狙ってるんだろうな。(まあ、確かに砂漠の住人に砂を売るようなムダはしないだろうし。)
  4. 店に一歩入ると連中のコントロール下にあると思っていい。彼らに止める権利はないんだから、必要であれば席を立つべき。(というか、2時間無駄にする前にこれをしておけばよかった。)
  5. 持ち帰って検討をさせないような態度を取るのであれば特に気をつけるべき。
  6. 疑問が感じるような商法による営業を受けた場合は州の司法長官局に消費者保護の機関があるのでそこに連絡しておく。
  7. (よほどモグリな商売をやっているようなところではない限りはここまでいくとは思えないが)身の危険を感じたら911で警察を呼ぶこと。特に立ち去るのを阻まれたときなどは。

あと、サービスを提供する側にも言っておきたい。
  1. 答えるのは聞かれたことでいい。もし問い合わせが対応できないことであるのであればその場で拒否してくれ。(この自分のケースの場合、二時間を無駄にする前に店側は対応できない正当な理由があったはずだ。)Xのことを聞いているのにYをオファーする理由はない。
  2. 「検討する」って言っているんだから検討させろ。一日に「わずか」2ドルであろうが100ドルであろうが関係ない。検討するって言っているんだから検討したいのだ。戻ってくるか来ないかはあんたらには関係ない。「逃げるための口実」ってアホか、なぜあんたらに断らないといけないんだ、買う側の自由だ。それはあんたらの仕事じゃない。自分の金を使って何かするのに指図されるいわれはない。(あと、もし本当に「あなたのことを考えている」って言うのであればじゃあ代わりに金払ってくれ。)
  3. みんなが目的を持って来ているわけじゃない。なぜ会員になるかという答えを真に受けてそれを短期的な目標と決め付けるな。あんたらの「効果的な運動論」を受け入れると言った覚えはない。もしその点に質問があればこちらから聞く。
  4. その場で全部売れると思うな。トライアルはそのためにあるんだよ。その後営業機会はいくらでもあったわけだ。その押し付けで商機を全部失ったと考えていい。
  5. 圧迫営業なんて時代遅れ。これでも見てくれ。http://theoatmeal.com/comics/sell_generation
  6. 絶対に客を罵るな。あんたらのその行為はその本人ならず、周りに広がるぞ。個人的には自分の一番嫌いな奴にでさえ薦めることはしない。
まあ、フリーランチはないとはよく言うが、フリートライアルもないってことか。

2011年8月18日

ちゃんみおスペシャル注文用のドキュメント

前に書いたちゃんみおスペシャル、米国やその他の英語圏でも簡単に注文できるように店員さんへの指示を書いたものを作成しました。

印刷して持っていって見せると作ってくれると思います。(「その他の英語圏」とは言いましたが、検証は米国の一部の店舗でしか行っていません。)

尚、スタバ以外も作ってくれないことはないかとは思いますが、フラプチーノってスタバの登録商標なので……。

2011年8月7日

米国でもちゃんみおスペシャル

日常の18話で出てきた、ちゃんみおスペシャルを米国のスタバでも注文できるのかを検証してみた。
結論から言えば、できる。
ちゃんみおスペシャルで使われている材料はすべて米国のスタバでも揃っているので、注文すればちゃんと出てきます。

ただ、オーダーを覚えるのは少し大変なのでメモに書いて渡すことをお勧め。




2011年7月24日

Chrome OSでSSHトンネルを使用する方法

Google Chrome OSではSSHのサポートが組み込まれてるのですが、これを使用したトンネリングの使用方法をまとめてみます。

SSHサーバへの接続は比較的簡単に行うことができます。

方法は以下のとおり。

  1. Ctrl-Alt-Tを押し、croshを立ち上げ
  2. sshと入力
  3. SSHサーバの要件によって以下の情報を順番に入力します。

    • host [hostname]
    • user [username]
    • port [port number] (サーバのポートが通常と違ったものを使用している場合)
    • dynamic-forward [port number] (転送に使うポート番号、今回はポートを8800を使用しているものとみなします、この場合dynamic-forward 8800)
    • key [key file name] (公開鍵認証の場合)
    • nocmd (トンネルを使用する場合はシェルを立ち上げる必要がないのでこれを使用)

  4. connectを入力
  5. サーバのパスワード、もしくは秘密鍵のパスフレーズを入力)

これにより、SSHサーバに接続され、ポート8800にSOCKSポートが開きます。

現状の問題として、ChromeOSではSOCKS5をUIより設定する方法がありません。このため、少し特殊な方法で接続を設定する必要があります。(ChromeOSの設定では、SOCKS4のみが設定可能となります。この場合、DNSがローカル側で解決されるため、ローカル側の設定によりネームが他のホストに転送されたりブロックされてしまう可能性があります。)ChromeOSでは内部的にはSOCKS5がサポートされているので、これをプロクシ自動設定の仕組みを使用して設定します。
以下がこれを設定するプロクシ自動設定スクリプトです。



function FindProxyForURL(url, host)
{
   return "SOCKS5 localhost:8800;";
}



これをChromeOSシステムに転送します。(もしくは次からダウンロード可能です。ssh.pac。ファイル名は上書き等を防ぐため、他のファイル名の設定をお勧めします。)転送後、プロクシの自動設定スクリプトして file://home/chronos/user/Downloads/ssh.pacを指定します。 この後chrome://net-internals/#proxyを確認し、Effective SettingsがPACスクリプトがDIRECTではなく、PACファイル名になっていれば正常に設定されています。さらにIPアドレスががリモートのものになっていれば正常に設定されています。

SSH接続を常に使用する場合は別ですが、そうではない場合は直接接続を使用する場合は直接接続のオプションと切り替えて使う必要があります。しかし、これを指定するとPACスクリプトのファイル名が消えてしまうので、ファイルのフルパスを覚えておく必要があるため、直接接続を行うスクリプトと併用するとファイル名の書き換えで切り替えることができます。



function FindProxyForURL(url, host)
{
   return "DIRECT;";
}


(このファイルは次からダウンロード可能です -- direct.pac.)

2011年6月21日

ATOK for Android

ATOK for Androidはスルー。てか買えないからね。トライアルでさえダウンロードができず試すことをさえできないということで個人的にはジャストシステムという会社への株が下がった。

海外にも普通に販売してくれるいい会社だったけどがっかりした。

PCのも毎年のように買ってたけど(辞書セットも2~3年に一回)今年からやめた。Android版の方針から、いつ方針が変わって購入ができなくなるかわからないし危なっかしいソリューションとしか見えない。

いままで結構こっちの知り合いにもATOK(PC、Mac版)を勧めたけど今後はやめることにする。

2011年6月20日

Chromebookと入国管理

Chromebookは海外旅行者には最適な製品であるかもしれない。というのも、最近、入国管理局(特に米国)によるPCの令状なしの捜査や、押収が横行しているから。(また、政府によりそれを容認する動きもテロ防止の口実を元に大きくなりつつある。)

Chromebookの場合、データがローカルにほとんど存在せず、クラウドに置いてあるデータに関しては令状なしの捜査は許可されないため、このような捜査で漏洩する情報は限られたものとなる。

もう一つ、重要な点として、入国管理局の捜査に関して、捜査を行うための相当な理由でさえ要件にしていない(つまり審査官の腹積もりで捜査ができる)ことの問題があるので、ローカルにデータを持って入国審査を通るのはクラウドに置いているよりもリスクが高い。そして、この捜査でPCからデータが抜き出されてそれがどのように扱われるかという点に関しても基準がないのが現状。

2011年6月17日

ソーシャルプラットフォームへと進化を遂げつつあるFreenet

最近Freenetに大きな発展があったようだ。


一つはFreetalk。これまでは外部のアプリケーションが必要であった掲示板の機能がFreenetの公式プラグインとして動作するようになった。一部のBBCodeが利用できるため、リンクや画像の貼り付けなども行えるようになった。(尚、投稿後に、なかなか自分の発言が表示されないのはこれは正常な動作で、投稿した後にMessages waiting to be sent: 0となっていれば正常に投稿は完了している。これは検閲耐性を高くしたFreenetである所以。掲示板のリストの更新などに関しても検閲耐性重視になっているため、普通の掲示板等のシステムに比べると遅め。)


以下の画像はFreetalk内に設定されたjpn.madoka_magicaというボード内の画面写真。このように画像を貼り付けることができるようになっているが、これらの画像はリンクとして表示することもできるようになっている。(不快な画像を予期せず表示しないため。)画像は個別にFreenetのアップローダからアップロードする。


Freetalk on Freenet


また、公式プラグインではないものの、Sone(リンクは要Freenet)と呼ばれる機能がある。こちらはFacebookのようなソーシャルネットワーク機能。(相互認証ではないのでスタイル的にはTwitterに近い。)他の人が書いたことにコメントもできるし、Likeもできる。AJAXを使用したシステムで非同期的に処理される。


Sone


ブログ型のシステムが必要な人のために、Floghelperというものも公式プラグインとして入っている。これを使うとFlogというFreenet上のブログが簡単に作成できるようになる。


Flog自体は以前からあるものの、Floghelperはその作成と管理を簡単にしたものになる。デザインもテンプレートを作成して好みどおりに書き換えることが可能。


全くテンプレートを指定しない場合はこんな感じになる。


Test Flog


以下の画像はFreenetの開発者によるFlog。


Flog by Toad


これらのシステムの裏で動いているのがWoTプラグインというもので、これが他人の信用度を集中的に管理している。すなわち、PGPなどのWeb of Trustと同じように掲示板などで評価を上げたり下げたりすることができ、それぞれのIDに対しての評価が確認できるようになっている。(尚、これはIDとは言っても匿名性がキープされる2chの所謂トリップみたいなものなので、このプロフィールは複数作成し、使い分けることもできる。)すなわちスパムを投げつけているようなアカウントはその評価が当然低くなるため、表示されにくくなるという仕組み。はじめる当初ではスコアが低いため、相互CAPTCHAを使用してある程度はWeb of Trustを広げることができる仕組みになっている。


尚、自分のWoTアイデンティティーは以下のとおり。


USK@r66L3Zo0tfeYoXPu0fhAHTYtfrDCvPyH2gFO7P1uSL4,
TbwPPNO4sXJeYRqi0XVuWK0489X70YwUcaDUevB8eVk,
AQACAAE/WebOfTrust/2

これを追加してしばらくするとSoneのKnown Soneに出てくると思うのでフォローしてやってください。(Soneを有効にしてしばらくつないでいる人はUnsignedIntで検索すると出てくるかも。)

2011年6月14日

米国仕様のアニメDVDのあれこれ

米国でとうとうイカ娘が販売されるらしいが、輸入しようと考えている人に海外版のDVDがどのようなものかをリストしてみる。ちなみにラインナップはAmazonのアニメセクションを参照のこと。

  • 1枚に4〜6話程度収録。以前はかなり無理してビットレートがものすごくひどいことになっていたものもあったけど、最近は複数のDVDを収めたマルチパックであることも多く、以前ほど無茶に詰め込むことはなくなった。
  • 基本構成は英語、日本語、英語字幕。作品によっては英語吹き替えを行っていないものがある。(または後ほどリニューアルパッケージとしてリリースされる場合がある。)
  • 異論はあるかもしれないが、最近の吹き替えはずいぶんと高品質になってきている。
  • 作品によってはファンの間では劣化品とみなされる作品が存在する。(「カードキャプターさくら」に対する「Cardcaptors」)放送を前提としたものに一部見られる。
  • 放送用などと違い、主題歌などは吹き替えられていることはない。ただし、「クレヨンしんちゃん」のように例外はある。基本的には字幕で歌詞の意訳や読み方が入っていたりする。
  • 再生開始するとFBI警告(コピーしたら罪になるよ〜の表示)や免責(この作品で表現される事項は必ずしも配給会社の考えに即した表現ではありません、の表示)に続きプレビューや他作品の広告などが再生される場合があるがほとんどの場合、広告よりタイトル画面にスキップ可能。
  • エキストラや特典は基本的にはクレジットなしOP/EDが収録されていることが多い。日本語のコメンタリーが残っているものはほとんどない。英語キャストのコメンタリーが封入されていることがある。(「成恵の世界」、「Clannad After Story」コンプリート)作品によっては日本版にもあるエキストラ映像などが字幕付き収められているものもある。(劇場版新エヴァ、「らき☆すた」)たまに独自コンテンツが収録されていることもある。(アニメコンベンションなどでの映像等)また、ここに同配給会社の他の作品のトレイラーが収録される場合も多い。
  • 値段は、コンプリートセットで60ドル前後、一本あたりで20〜30ドル前後が相場。まれにCDやTシャツなどがついたプレミアム版も販売されることがあるが、こちらは40〜50ドル。(「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」など。プレミアム要素がない、通常版も売っている。プレミアム版は大抵は初回限定なものの売れ残って在庫が長く残る場合もそこそこある。)
  • 予定されていたプレミアム版が途中の巻より廃止されて通常版のみになる場合もある。(「らき☆すた」)思ったほどの売り上げがない場合にそうなるらしい。
  • コンプリート版は最近はシンパック仕様になっていることが多い。ボックスは第一巻、第二巻のプレミアム版として発売される場合がある。(つまり、リリースされる毎に自分で入れてセットを作っていく。)
  • 最初からコンプリート版として発売されるケースと、バラ売りで発売される場合がある。稀にコンプリート版とバラ売りが同時期に併売されるケースがある。(「成恵の世界」など)
  • リリース後しばらく経つと値段が急激に下がる場合が多い。またAmazonなどでも予約販売でさえかなりの値下げをして売っている場合が多い。バラ売りでの合計はコンプリートとして買うよりもはるかに高い値段が付く場合が多いので、どうしてもすぐ見なければならないものであればコンプリートを待つのもあり……たまにコンプリートが発売されなく、かつバラ売りの供給が止まる、ひどい場合配給会社が倒産してしまうことも少なからずあるため、ある程度のリスクがある。また、場合によってはコンプリートはディスク一枚ごとの収録密度が違うため、ビットレートが低い場合がある。(「あずまんが大王」など)
  • 尚、ビットレートが低いといっても画質がひどいわけではない。時々そういうのもあるけど。
  • マルチディスクケースはものによってはものすごくディスクが取り出しにくいものが存在する。
  • ちなみにライセンスが買い叩かれているから海外版は安い、というのは決して正確な表現ではない。その証拠に国内産のドラマも同水準の値付けになっている。ソフトの値段水準が安いだけ。(反対に日本が高すぎる?)
  • 在庫が尽きた作品を中心に、特装版としてインサートなどを省いた廉価版が発売される場合がある。
  • 米国の配給会社は基本的に作品ごとに契約しているため、◯◯が発売されているのに同系列の××が発売されないということはよくあること。
  • リリースは日本放映から1〜2年は遅れる場合が多いが、最近は作品によっては半年ぐらいまでに短縮されているものもある。これは遅れれば遅れるほど違法流通が多くなり、売れにくくなるためである。(尚、「イカ娘」の場合はCrunchyrollで合法配信がされている。)
  • 話題になっている作品はそれなりに早くリリースされる。
  • 新しいものだけではなく、例えば「ゴーストスイーパー美神」が今年になってリリースされるなど、比較的古い作品に目をつけてリリースされることがある。あくまでも予測だけど、さすがに古くて違法に出回っていないのを逆手に取ったのだろうか。
  • というか、誰か「ゲンジ通信あげだま」をリリースしてください!

2011年6月9日

日本での社会的期待となぜ私が日本に住むことができないか

【これはSocial Expectations in Japan and Why I Can't Ever Live in Japanの訳文の訳文です。】

Sakura-Conの期間中、Roland Kelts氏のお話をパネルディスカッションにおいて聞くことができた。氏によると、外国人が日本を訪れた場合、外国人は決して日本人として受けいられることがないが、日本にいることの恩恵を日本人としての(社会的な)期待をされることなしに味合うことができる。(外国人としてその期待に答えることは非常に高い評価がされることになる。)
日頃からその反対の立場を実感していたため、「外国人」サイドからこの意見を聞くのは非常に興味深かった。現在私は米国在住の米国人であるが、例え(米国から見た)外国人として見られたとしても、特にそれが差し支えることはない。なぜなら、多くの「米国人」は他の国出身であることが決して稀ではないからである。つまり、これが社会的に「通常」なのである。しかし、舞台が日本に移ると非常にやっかいになる。
私は日本に生まれ、13年間住んだ後米国に移住したため、ある程度の日本における社会的な規範を知る。その後18年間、米国に住んでいるため、日本に行くたびに違和感を覚えることになる。日本人的考え方を知っていたところでそれを納得して実践することは必ずしも本意ではないからである。日本語を操り、日本人に見え、外国人には見えない、そのため、日本語をしゃべれないフリ(したことはある)をしない限りは日本国内では日本人のように振る舞い、また、もっと重要なことに日本人のように「考える」ことが要求されるのである。
もともと社会的期待は日本人のように振舞い、考えることが前提になっているから、その努力は全く理解されない上、そこから少しでもそれるとネガティブな評価がされることになる。
米国において、外国人ぽく見えるのは普通の生活において問題はないが、これが日本に行くたびに外国人であればと、何回思ったことか。
今後、日本に住むことはこれからないだろうけど、日本に行くたびに、また日本人と接するたびに、この「アイデンティティー不安」に見舞われるわけで、その軽減策は一生の課題になるのではないかな、と思う。

2011年6月7日

Google Chromeバグ、情報提供募集中

Google ChromeにURLとタイトルがアップデートされないバグがあるようなのですが、他にその影響をうけている人はいらっしゃいませんでしょうか? 症状として、ページが変移してもURLとそのタイトル(この画像の場合、creativecommons.orgに行っているのにバーは「新しいタブ」「chrome://newtab」を指し示している)が表示中のタスクを終了するまで、更新されない問題です。Mac版で発生しています。(この状態で再読込するとchrome://newtabが表示されます。)

銀行のページなどの閲覧時にこれが発生すると危険であるためGoogleにはセキュリティ問題として報告しているのですが確実な発生プロセスが報告されないと対応できないと言われてしまいました。→Issue 82073 (セキュリティバグなので閲覧制限がかかっていると思います。)

規則性を発見し、発生プロセスを確認したいので、もしこの発生を確認された方がいらっしゃいましたら、ブラウザのバージョン、インストールしている拡張、発生したURL、その他行った操作に関してご連絡いただけませんでしょうか? セキュリティ問題として報告してるのでもしこれが修正されたら報奨金が出る可能性がありますが、その場合は協力者に分配できないかはGoogleに相談してみたいと思います。(それが不可能である場合は個人的にも受け取りを拒否し、東北大震災への義援金にしてもらいます。)個人的にはGoogleにはこの問題に対応してもらいたいというのが第一なので……。

発生の規則性がこちらでは全く掴めていないため、なんとかクラウドソーシングできないかと考えました。ご協力お願いいたします。

OnLive

OnLiveで遊びはじめて数カ月になるけど、ゲームそのものだけで考えるとローカルでプレイする以上のメリットがないように見える。(高性能のPCなしに高品位なグラフィックで遊べるという利点はあるけど。)重要なのはそのソーシャルな部分。OnLiveではゲーム映像からは二つの映像ストリームが生成されて、一つはプレイヤー用、もう一つはOnLiveのサービス内でArenaと呼ばれるところに流されている。Arenaは誰でも覗けて、他の人がプレイしている様子をリアルタイムで見ることができるようになっている。(プライバシー設定でArenaに置かないようにすることもできる。)つまり遊んでいると「◯◯がゲームを見ています」というようなメッセージが表示されて、人によってはCheerとかJeer(ブーイング)をくれたりする。(ボイスチャットもヘッドセット付けていれば観戦者と会話することもできるらしい、またやったことないけど。)ゲームの映像を他の人に見せるのはUStreamなんかでも結構あったりするのでその需要はそれなりにあるのかもしれない。

もう一つ、Brag Clipという、映像を常にバッファーしていることを利用したシステムがあって、これは所定のショートカット(PCでプレイしている場合)や録画キー(専用機でプレイしている場合)を押すと、その時点から遡って10秒間程度の映像が録画されたクリップが作成される。最近、これがFacebookをサポートするようになった。これをするとBrag Clipを作るとその映像がFacebookのWallへ投稿されるようになっている。

2011年5月18日

幻想の安心感とTwitterの新機能

家族や同僚にアカウントがバレる? ツイッターユーザーが大困惑という記事が出ていたので次のようなツイートをした。

匿名云々以前に見られて不都合なことを公開されているtwitterに書くのが間違い。おすすめされなくとも見つかる場合は見つかるんだから。これで騒ぐのであればクローズドなSNSに移るか、protectして使えばいい。

すると以下のようなご意見をいただいた。

うーん、ちょっと論点がズレてる気が。職場や家庭とは独立に構築してきた活動履歴や人間関係、アカウントの存在そのものを秘匿してた人が、突然それをオープンにされて(その材料を提供されて)動揺してるのが今なので。protectでもクローズドなSNSでも話としては同じです。
返答はtwitterでもしたけど、言いたいことは長文になるのでここにも書くことにする。

まず前提を考えるとtwitterでアカウントを持ってツイートするというのは世界に向かって匿名、実名問わず情報を発信することである。つまり、書いた事柄はprotectedなアカウントでない限りはアクセスコントロールなしに誰でも見られる状態になる。つまりtwitterの情報というのは秘匿されている情報ではない。

ここで、今回の変更でパニックを起こしている人というのは、その秘匿が安全であると信じていたので、その存在が家族バレ、会社バレした、ということであろう。

実際はアクセスコントロールがないtwitter上のアカウント情報の安全性というのはたかがSecurity through obscurity(秘匿によるセキュリティ)であり、検索も簡単にできてしまうtwitterではそれさえも満たしていない。

本当に万人に見られて困るような事柄であれば、twitterにそれを発言しないか、もしくは発言内容で個人が推測できるような情報をtwitterに書き込まないというぐらいの配慮がなされていないということでもあり、自業自得であるとも言える。(また、例えtwitterがこの機能を有効にしなくとも検索などですでにアカウントの存在は既知であったかもしれない。)

反対に今回の件でいかに信じていた安心感が幻想であったか、いい啓発になったのではないかと思う。幻想の安心は無防備な状態よりもタチが悪い。

匿名であれ、実名であれ、ネットの発言にはそれなりの責任とリスクが伴うということだ。

2011年1月12日

泥沼のウェブビデオ方式合戦

恐らくはウェブビデオの方式に関しては短期的には収束しない可能性も高い。そのため依然としてFlashを使用したビデオが長らく使用される時代が続くのではないかと思う。
この問題を解決するためには、それぞれのブラウザがどの方式を対応するかではなく、どの方式が共通で対応できるか、という一点が解決されないと延々と続くことになる。
ちなみに現状手っ取り早い解決策としては次の二つが考えられる。

  • H.264を保有するMPEG-LAが特許権の行使を完全に破棄し、その実装や使用を無料とする。
  • 現在TheoraもしくはWebMに対応していない陣営が、このどちらか、もしくは両方に対応する。

実はどちらも難しい、というのもTheora、WebMに対応していない側というのはほとんどがH.264の特許権の行使に関与している側であるからである。そして、H.264側の歩み寄りなしに、Theora、WebM陣営がH.264に対応するのが難しい。これは大きく分けてその実装がオープンソースのイデオロギーに反するといったものと、デコーダーのライセンス料の支払いが(MPEG-LAが恣意的にそれを変更できるという不確定性も含めて)リスクが高く困難であるというものがある。
この問題が解決するのは最悪、特許権が切れた時点、ということも考えられるかもしれない。もっともこれが解決しなくともビデオがウェブ上で見られなくなる、という話にはならないとは思うが。
おまけ:尚、マイクロソフトのエスペラント語の例えは英語を使用するのにライセンス料の支払いを求められる体系になっているのであれば適切であるものの、そうではないため、例えとしては弱いと思う。

Google ChromeがH.264の対応を打ち切りの予定

現バージョン8ではH.264、Theora、WebMのCodecが内蔵されており、これらの方式のビデオが再生できていたが、オープンな方式をサポートする目的でH.264の対応を打ち切るとGoogleが発表した。このうちTheoraとWebM(Googleが買収したOn2の技術、現在はGoogleが所有し、2010年にオープン方式として公開)は特許料が発生しないオープンなフォーマットとして公開されており、H.264は権利管理会社によりMPEG-LAにより特許料などが管理されている。(尚、非商用の利用に関しては現在のライセンス期間中(5年毎に改定される)は使用料の徴収をしないとの声明が2010年になされている。)
ちなみに対応状況は次の通り。
ブラウザH.264TheoraWebM備考
Google Chrome×H.264のサポートはバージョン8時点で有
Mozilla Firefox×WebMはバージョン4より対応
Safari××WebMには対応しない方針
Internet Explorer××H.264の対応はバージョン9より。ただしシステムにCodecが導入されていれば非対応のものも使用可能
こう見るとオープンソース陣営の側についただけの話なので。Google的には自然な流れかと思う。
オープンな方式を推進するのが目的であれば次はFlashのサポートを無くすべきなのじゃないかなどと意見も出ている。上記のように現在まだ全ブラウザで共通して対応している方式がないこともあり、HTML5のvideoタグは広く使われていないため、今回のGoogleの決定は短期的には現実的なユーザーへの影響はない。影響があるのはHTML5のvideoタグを使用してビデオを再生する場合においてビデオを再生する場合である。それぞれのブラウザの対応するビデオ方式の違いによりウェブの断片化を促すという意見もあるが、前述のようにすでにFirefox陣営とSafariやIEなど、すでに分裂状態にあるためこの判断でGoogleが特別に非難される理由はない。
尚、Flashの同梱とビデオCodecの互換性併せて議論されている部分があるが、ビデオCodecのサポートは異質なものである。なぜならFlashは現状広く使われている技術であるのと同時に、現状HTML5などでカバーされていない部分を補う要素があるのに対して、ビデオ方式はただ単にビデオがどのようにエンコードされているかの違いである。特にブラウザ間でどの方式をサポートするかのコンセンサスが成り立っていない以上、GoogleがWebMを推進することで非難されるのであれば、マイクロソフトとAppleも自身が関与している方式を推進している時点で同罪であり、同じく非難されるべきである。
HTML5ビデオの今後はどのようになるのか興味深いところではあるが、現時点で特に大騒ぎするようなことではないのではないかと思う。