2012年2月17日

Org-modeとこれを使うべき理由

(これはHideki's Random Stuff掲載、Org-mode and Why You Should Consider Using Itの和訳です。)
個人的にOrg-modeは2012年の最初の二ヶ月で発見した最もいいものであると思っている。現在、これをノート取りや、コンベンション業務や、ドキュメント作成などに使用している。
プレーンテキストベースでマークアップが可能なこの方式はChromebookなど使用しているプラットフォームが多様化している状態で非常に有用なものとなった。

バイナリブロッブはダメだ

過去にも標準化されていない形式のファイルや、果てはwinmail.datなどに関していろいろと文句を書いてきた。(ところでMicrosoft、いつになったらあの忌々しいwinmail.datをネットから撲滅してくれるのか。)
どんなオフィスソフトでもこの問題があったが、OpenDocumentや、ある意味Office Open XMLなどでこの問題は比較的解決に向かっており、また、市場を支配している(まだしているか……)独自形式のドキュメントを撲滅する意味ではこの動きは非常に重要な動きであると評価できる。
しかしながら、これらの標準化はドキュメントのアクセス性を上げる点を上げるものではない。ファイル形式がオープン化したところで、プレーンテキストとは違ってある程度複雑なソフトがないと開くことができない。TeX(LaTeX)は長く存在しており、プレーンテキストによる編集を可能にしているが、容易に編集するには敷居が高すぎる面がある、とはいえ、Microsoft Wordなどで編集するよりも100倍はましだとは思うけど。
Org-modeはプレーンテキストのシンプルなフォーマットであり、このドキュメントは広い範囲のプラットフォームで開き、編集することができる。PC、Mac、Chromebook(とはいえ、ChromeOSにはソフトウェアのコンセプトがないため、やりにくいのは確かではあるが)や電話などで編集ができる。変換作業にはPCが必要だがそれに関しては後述。

構造化されたドキュメントが簡単に

Org-mode(TeXやLaTeXなどでも言えることだが)で重要だと思うのがこれが構造化されたドキュメントを強制することである。受け取るファイルでヘッダがフォントサイズしていだったり、前述の原因により目次が通常のテキストで記述されていたりと酷いものもよく見かける。
これはソフトを使う人の能力に依存するものも多いため、一絡げに評価できるものではないが、Org-modeの場合、構造をきちんと持たせることにより情報管理がより容易になるという正の動機がある。

プロジェクト管理が簡単に

最近の仕事はプロジェクト管理が主なわけだが、Microsoft Projectなどのプロジェクト管理システムを使用したがあまり役に立つものではなかった。これはチャートなどを作るには役に立つかもしれないものの、これらのソフトが想定する制限項目などは必ずしも現場の状態、例えばスケジュールの変更や要求項目の変更などを反映したものではないことに気がついた。完璧な会社で働いていない限りはこれらは結局は絵に描いた餅になる。
つい先日まで、コンベンションのイベントの調整を行なっていたが、Org-modeでは依存などの全体像を非常につかみやすいため、延べ80時間にも及ぶスケジュールの更新を非常に短時間で行うことができた。
また、これを他の人に渡すときがまた非常に便利なのだ。それは事項に続く。

ドキュメント作成が簡単に

Org-modeでの編集作業が完了するとそれをHTML、OpenDocumentやLaTeXに変換するのは単純な作業である。
ドキュメントにはスプレッドシートで作成できるようなテーブルを含ませることができ、数式を含めることでさえできる。要はテキストベースのスプレッドシートである。
これにより、情報管理からドキュメント作成までシームレスなパイプラインを持つことになる。

短所

Org-modeの短所について言及しないとフェアではなかろう。図などを多く含む書類の作成にはプレゼンテーション作成ソフトや描画ソフトが向いている。(頼むからこの目的にMicrosoft Excelを使うのはやめてくれ!)埋め込み自体はできないことはないものの、それらは外部的に作成する必要が出てくる。その他に関してはOrg-modeは非常に優れた汎用情報管理システムであり、書類編集のツールである。